2023-01-14

2023年 令和五年稽古始め

 先日、今年初めてのお稽古日でした。


今年5月に、ささやかな舞の会を催す事になりました。
お弟子さんの発表会と、私の舞(二曲)のみの、本当に小さな会です。
昨年末に思い立ちまして、我ながら急な話だと思いつつ、動いてみましたら、希望していた千葉市内の会場の予約が取れました。
すんなり会場を確保できたという事は、やっていい、という事だろう、と、後押ししてもらったような気持ちになっております。

お弟子さん達も、お稽古の成果を発表できる機会が来ました。
目標は上達を促します。会に向けて、きっと成長してくれると期待しています。
そして、このたび、かつての妹弟子が私の稽古所に入門しました。
私が彼女をお迎え出来る状況になるまで、かなりお待たせしたのですが、じっと待っていてくれました。
彼女も舞の会に出演することになり、早速そのためのお稽古を始めました。

ささやかでも、観てくださる方が地唄舞に触れ、愉しんでいただけるような舞の会を目指し、私自身も一層稽古に励みます。


2023年舞い初め



2022-12-27

稽古納め

 先日、私のお稽古所の稽古納めでした。


色々ある中、今年一年、稽古を続ける事が出来たのはありがたいです。
12月になってから、私が思い立ち、来年に向けて動き始めました。
これまで静かに、ひたすら稽古を続けて来ましたが、来年、少し変化を起こす予定です。

稽古納め



何をするにしても、健康が第一だと改めて思う事が増えました。
私にとっては、舞のお稽古が健康法の一つです。
舞わないと不健康になりそうなので、私は年末年始も一人で稽古します。
来年もその先も、末永く舞い続ける事ができる身体作りに励みます。

2022-05-17

お稽古所 五月「名護屋帯」のこと

私の小さなお稽古所は、あいかわらずひっそりとお稽古しています。

私自身の最近のお稽古の曲は、「名護屋帯」でした。
「なごやおび」と読みますが、地唄でいう名護屋帯は、お太鼓用に締めやすくなっている幅の広い名古屋帯ではなく、室町末期から江戸初期に用いられた組紐の細帯の事だそうです。

遊女の哀しさを表している舞なので、葛流の会では、前に帯を結んだ形でなさる方が多かったのですが、私が、過去に国立劇場の舞台で舞ったときは、幅の狭い帯にしてもらいました。
かつらも、ちょっと変わった形でした。
先生から、「げんこつを載せたみたいな形」と説明して頂いたのを覚えています。
似合うかどうか人による形で、地味な感じなので別の形にする人が多いと聞きましたが、私は国立劇場の舞台では、似合う似合わないに関わらず、この曲はこの格好という定番や、その時代その物語に沿った形にしてもらうようにしていましたので、この時も「げんこつ」がどんな感じなのか、よくわかりませんでしたが、その変わった髷でお願いしました。
その時の写真がこちらです。



朱色の組み紐の飾りと、金色のかんざし一本だけでしたが、かえって華やかだったと思います。
衣裳も、私の身に余る豪華なものでした。
先生が京都で衣裳を選んでくださり、「素敵だったからこれにしちゃった」と仰っていました。本当に華やかな衣裳で、どっしりと重たかったのを覚えています。
私は身長がまずまず高いので、先生は大きな柄を選んでくださることが多かったようです。

当時の事を色々と思い出す写真です。
かつては二重に巻いた帯が、恋焦がれるあまりに三重にまわるほど痩せて細くなってしまったとうたわれる艶物の極みのような曲で、例によって私とかけ離れているため、その気になるのが難しい曲でしたし、私の体格はそれほど痩せてません~、と思うと、弱気になったものです。
先生からも、しっとり柔らかく動くようにとお叱りを受けながら稽古していました。
この時は葛流の創流の会で、名護屋帯を舞った後に、お名取の群舞で、先生振付の「瀧づくし」を6人で舞いました。二曲出演したのは、後にも先にもこの時だけでしたので、不思議な感覚だったのを覚えています。
国立劇場の舞台は、当時、恐れおののいてしまう事もありましたが、一人ぼっちではなく、先輩のお名取さん方がいてくださると、こんなにも心強いのか、と、安心して立つことができました。
言い方がおかしいかもしれませんが、なにやらスポーツのように明るく、楽しい時間でした。

その名護屋帯を久しぶりにお稽古しまして、一旦仕上げとなりましたので、お稽古日にお弟子さんの前で舞いました。どなたかに観ていただくのは、自身と向き合える、質の良い稽古になります。


名護屋帯