2016-08-20

2016年浴衣会のこと


 先月、毎年恒例の浴衣会がありました。

 今回、私が舞ったのは『ぐち』です。


〽ぐちじゃ なけれど これまあ聞かしゃんせ

という歌詞で始まる艶物です。


”ぐち”は”愚痴”です。
好きな人に会えたのも束の間、明けの鐘が鳴って、もう別れの時がきてしまう、
という切ない女心を唄っています。
毎度のことながら、私には縁の無いお話でして・・・想像力を駆使するしかありません。

お前の袖とわしが袖 とか、
路地の細道 駒下駄の とか、
胸驚かす明けの鐘 と言った歌詞がありますが、どれも想像力の助けになる艶っぽく粋な歌詞です。
頭の中は時代劇です。

5月の国立劇場の舞の会で、『ぐち』を舞われた方がいらっしゃいまして、下ざらいで観る事ができました。
その時から、〽おまえの~ 袖と 、というフレーズが頭に残っておりました。
歌詞もすてきなのですが、ここの節がなんともいい感じなのです。
下ざらいでは、生でこの曲が聞けた事もあり、もう頭から離れなくなっておりました。

そんなわけで、国立劇場が終った次のお稽古は、『ぐち』でお願いしようと思っておりました。
今年の浴衣会も会場は浅草でした。
江戸を感じる浅草で『ぐち』を舞えたのは嬉しい事でした。