ご無沙汰してしまいました。
前回の更新でお稽古再開の報告をしましたが、昨年の年末以降、コロナウイルスの感染拡大が心配される状況になったことや、私の都合が合わないこともありまして、お稽古をお休みしておりました。少しの間だけお休みするつもりでしたが、緊急事態宣言が出てしまい、思っていたよりも長めのお休みになりました。
まだ気を付けなければならない状況は続いていますが、先日、お稽古を再開することができました。
私はお休み期間も一人で稽古を続けていましたが、お弟子さん達とのお稽古は12月以来です。
この日は、『高砂』と、『鶴の声』をしました。
当たり前のことですが、お稽古は礼に始まって礼に終わります。
始まりは、正座をして手をついて、「お願いします」とお辞儀します。
私は先生に、「お願いします」と30年言い続けて来ました。
先生は、真正面で、真っ直ぐにそれを受け止めてくださいました。
師範を許されてからは、私も「お願いします」と言われる立場になりました。
私も「お願いします」と答えます。
何かもっと師匠らしい言葉で返すべきかもしれませんが、自然に出るのが「お願いします」なので、致し方ありません。
この日も、「お願いします」に、「お願いします」と返しました。
お弟子さんからのご挨拶に、私のほうこそお願いします、と返しているのですが、加えて、お稽古場や取り巻く空気に「お願いします」と言いたいのかもしれません。
お稽古再開のこの日、舞を続けて行けるありがたさを殊更強く感じました。
それを許してくれる環境があり、見守って下さる方々の存在があってこそ、この道を歩み続ける事ができます。
慎ましく弁えながら進んで行こうと決意を新たにした、春、四月です。