2016-08-20

2016年浴衣会のこと


 先月、毎年恒例の浴衣会がありました。

 今回、私が舞ったのは『ぐち』です。


〽ぐちじゃ なけれど これまあ聞かしゃんせ

という歌詞で始まる艶物です。


”ぐち”は”愚痴”です。
好きな人に会えたのも束の間、明けの鐘が鳴って、もう別れの時がきてしまう、
という切ない女心を唄っています。
毎度のことながら、私には縁の無いお話でして・・・想像力を駆使するしかありません。

お前の袖とわしが袖 とか、
路地の細道 駒下駄の とか、
胸驚かす明けの鐘 と言った歌詞がありますが、どれも想像力の助けになる艶っぽく粋な歌詞です。
頭の中は時代劇です。

5月の国立劇場の舞の会で、『ぐち』を舞われた方がいらっしゃいまして、下ざらいで観る事ができました。
その時から、〽おまえの~ 袖と 、というフレーズが頭に残っておりました。
歌詞もすてきなのですが、ここの節がなんともいい感じなのです。
下ざらいでは、生でこの曲が聞けた事もあり、もう頭から離れなくなっておりました。

そんなわけで、国立劇場が終った次のお稽古は、『ぐち』でお願いしようと思っておりました。
今年の浴衣会も会場は浅草でした。
江戸を感じる浅草で『ぐち』を舞えたのは嬉しい事でした。


2016-05-06

舞の会のこと(平成二十八年)

5月4日、「地唄舞 葛流十五周年・葛タカ女舞の会・かつら会」で『珠取り』を舞わせていただきました。

おかげさまで無事舞い終えることが出来ました。
ご来場いただきました皆さま、心より御礼申し上げます。まことにありがとうございました。
今回の舞台も、先生のご指導はもちろんのこと、家族・友人たちの助けがあってこそでした。いつものことながら感謝しております。

色々な事が起こるこの世の中で、あの大きな舞台で舞える幸運と、お客さまに観ていただけるありがたさを、特に感じた今回の舞台でした。
劇場の大きさもですが、『珠取り』という大曲に自分が負けてしまうのは最もいけないことだと思い、稽古を積みました。稽古の日々が私に力を与えてくれたと思います。

今回の『珠取り』は私にさまざまなことを教えてくれたと思っています。
稽古の中で足りない部分を思い知らされ、後ろ向きになりがちな自分の扱い方を模索することもありましたが、稽古のおかげで発見することも多くありました。
この曲は私にとって大事な曲になりました。
まだまだ拙く、遠い道を歩む私の、この先の道を照らす灯の一つとなってくれたと思っています。


平成28年舞の会

『珠取り』
2016年5月4日 地唄舞 葛流十五周年・葛タカ女舞の会・かつら会 国立劇場小劇場

2016-04-24

ちょうど10日となりました

国立劇場の舞台まで、あと10日となりました。


地唄舞 葛流十五周年・葛タカ女舞の会・かつら会
2016年5月4日(水)国立劇場小劇場

こちらの門弟の部に出演いたします。
演目が決まった昨年から準備を重ねてきました。
仕事が終ったら狭い自室で稽古して~は日常の事なので、10日後に本番というのも今ひとつ実感が湧かずにおります。

私の準備の中には、筋トレも当然入っているのですが、怪我だけは注意するようにしています。
空手の稽古も、飛んだり跳ねたりしたいのをジッとガマンのこの数ヶ月です。
昨年、跳んだ勢いで腓腹筋断裂をやりましたので、念のため用心して本番が終るまで封印しています。
暴れたいのは山々ですが、ブチッと行く可能性のない動きのみ稽古して、あとは筋トレで凌いでいます。
舞の舞台があるから空手は向こうに置いておいて、とは行きません。
それがあるからこそ離れられません。